自由の国・アメリカ生まれの「未来の医療」として期待されているカイロプラクティックは、1895年9月にアイオワ州ダベンポートの開業医、D.D.パーマーによって発見されました。パーマーの診療所のビルの掃除夫をしていた黒人男性、ハービー・リラードが16年間耳が聞こえないことを知ったパーマーは彼を診察したところ、背骨の一部が隆起しているのを発見。その隆起を手で押し戻したとたん、聴力が劇的に回復しました。これをきっかけにD.D.パーマーは脊柱の機能上の問題が神経系に直接影響し、それが人体の様々な機能障害、治癒能力低下、疾病を起こす原因として、カイロプラクティックの理論を確立しました。

その後、D.D.パーマーの息子、B.J.パーマーによってカイロプラクティックは科学的・技術的にさらに大きな発展を遂げ、レントゲン撮影、サーモグラフィー等の検査器具の開発によって、背骨と神経系の密接な関係をより科学的に証明できるようになっていきました。

現在、アメリカ合衆国では勿論、ヨーロッパやオーストラリア、ニュージーランドや東南アジア諸国で専門医の資格として法制化されており、世界的な組織である「世界カイロプラクティック連合」がWHO(世界保健機構)のNGOに加盟しています。

発祥国であるアメリカでは4年制大学で一般教養、理数系全般を学んだ後、3年半から4年の間、カイロプラクティック大学で約3,065時間にわたる厳しい医療教育を受け、ドクター・オブ・カイロプラクティック(D.C.)という学位を授与されます。その間、4次にわたる国家試験があり、さらに卒業後、州ごとで異なる開業免許を取得しなければなりません。これらの長い教育課程を経て、はじめて、安全かつ科学的、そして芸術的なカイロプラクティック・ケアを患者さんに提供することができるのです。

残念なことに、日本ではドクター・オブ・カイロプラクティックの公的な認定制度がないため、「カイロプラクティック」と名のつく学校のほとんどが国際基準に達していないばかりか、法制化されていないのをいいことに、東洋医学や他の科学的根拠も理論もはっきりしない民間療法と混同して学生たちに教えているのが現状です。