サブラクセーションとは?

サブラクセーションとは、脊柱サブラクセーション複合体(VSC:Vertebral Subluxation Complex)の事を指します。








これは、骨(ほね)自体の問題ではなく、椎間関節を通る神経の情報伝達が異常を起こし、骨をつなぎ支えている椎間板のショック吸収力と可動性(動きとバランス)に影響を及ぼす事を指します。また、従来の医学でいう脊椎(せぼね)の関節を構成する椎骨と椎間板の位置関係に異常が起きる亜脱臼とは全く意味が違います。

初期段階では、「何か調子が悪い」、「元気が出ない」、「違和感がある」、「疲れがとれない」などの、はっきりしない感覚として現れる事が多く、痛みなどの自覚症状につながることがないのがほとんどです。

また他の医師たちがレントゲンやMRIを見ても、「多少歪んでいますね。」とか「少しヘルニア(椎間板が、はみ出している状態)の傾向性がありますね。」と言われるだけで、具体的な処置がなされることはありません。

サブラクセーションは、からだの中枢である”脳”と、からだの通信回路である”神経”の流れを妨害してしまうため、結果として様々な身体機能の異常を引き起こします。

サブラクセーションが適切な処置を受けずに放置されると、脳の情報を伝える神経は弱り、そこから起こるからだの機能上の問題は、連鎖反応で倒れるドミノのように、体内の他の部分にも波及します。

もっとわかりやすく説明すると、背中には部屋のブレーカーのようにたくさんの配線スイッチがあり、そのいずれかのブレーカースイッチが「落ちた」状態だと言えます。

 

サブラクセーション退化(退行変性):どのくらい長いのか?

サブラクセーションは放っておくと椎間板や骨の形にも変化を及ぼし、神経のダメージや萎縮(細く短くなる)を起こす原因になります。カイロプラクティックでは、サブラクセーションが慢性化し、組織のかたちが変形してしまった事を「サブラクセーション退行変性(退化)と呼んでいます。

退化の進行はレントゲンではっきり確認できます。15から20年単位で悪化していくことが多く、わかりやすく三段階にわけて説明しています。ここでは、模型の写真をのせています。


正常
第一段階
第二段階
第三段階

 

サブラクセーションの原因とは?

母親の胎内で人間のからだが形成されていくプロセスにおいて、一番最初にかたちになっていくのが、脊髄(神経のメインコード)と脊柱(せきちゅう)です。ですから、特に背骨にサブラクセーションが起きると、からだの通信回路に非常な大きな悪影響を及ぼします。脊骨サブラクセーションの主な原因は、脳と神経が受けるネガティブなストレスにより起こると考えられています。

サブラクセーションの原因となる3種類のストレス

1. 物理的ストレス:出産、交通事故、仕事上の無理な体勢、過度なスポーツやエクササイズ、長時間すわっている、慢性の運動不足、重い荷物の不適切な上げ下げ、立っている時または寝る時の姿勢が悪い、滑ったり転んだりつまずいたりなど

2. 生化学的ストレス:医薬品の長期服用・使用、加工食品や化学調味料等の過剰摂取、精製食品の長期にわたる摂取、嗜好品・プロセスフード・インスタント食品の過剰摂取、環境汚染(空気・水・土壌の汚染)による有害物質など

3. 精神的ストレス:ネガティブ思考、幼年期や過去の精神的トラウマ、家庭や仕事上または他の人間関係のトラブルから来るストレスなど

普段の生活で精神的または肉体的に受けるストレスはたくさんあり、その中のほとんどが、私たちの意識レベルでは認識できないのが実情です。「放っておけばいずれ治る」と思われがちな日常生活のほんの些細なストレスも、積み重なると、大きな問題の原因となる事が多いのです。

カイロプラクティックは、元来「神経系が、体内のあらゆる細胞、組織、臓器等のすべての機能をコントロールしている。」という科学的事実をもとに発展してきました。ドクター・オブ・カイロプラクティック(D.C.)が的確で安全かつ効果的にカイロプラクティック・アジャストメントを行い、サブラクセーションを取り除くことができるようになるには、6年以上の教育課程を経た後、厳しいトレーニングと臨床経験をつまなければなりません。からだの通信回路(カイロ)に悪影響を及ぼすサブラクセーションを検出し取り除けるのは、ドクター・オブ・カイロプラクティック(D.C.)だけです。ぜひあなたも背中の配線チェックを受けてみて下さい。

よりよい健康と問題の根本解決のためには、症状や痛みが出てからではなく、普段からせぼねと神経の健康状態をチェック・アップし、背中の配線が常にオンになっているかを知っておく事が大切です。

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